また映画のこと

『P.S.アイラヴユ−』を借りて観た。泣けた。
どうも最近感動ものに弱い気がするが気のせいか。
映画全体が切なくてあまずっぱくて、コメディの要素も含まれるが全編を通して愛する人の死が静かに寄り添っているからどのエピソードにも思わず涙ぐんでしまう。
ひとが死んで悲しいというのは、もう会えなくなることが悲しいのだと思う。生きているならば、どこかで会えるかもしれないと思い続けられるが、死んでしまったらそういうわけにはいかない(死後の世界で再会できるかもというのは別にして)。そして一番悲しいのは、そのひとが死んだことを忘れていて、ふとしたときに「もういないんだった」と思い出す瞬間だろう。だれかの死に直面するとそれをものすごくリアルに感じる。肉親であるかそうでないかとか、親しさの度合いに関わらず、ただその「死ぬこと」を体感する。
実際私も中学生ぐらいで知り合いの日系のおばあちゃんが亡くなったとき、時々英語を教えてもらう程度の仲だったし彼女はもうハワイに帰ってしまっていたので全然会うこともなかったのになぜか、小学2年生で祖母が亡くなったときより死をなまなましく感じた。もうあの人はこの地球上のどこにもいないのかと思ったら急に悲しくなった。

映画の感想にもどるが、35歳という若さで夫が死んでしまったことへの悔しさや怒り、いつまでも夫が忘れられなくて立ち直れない主人公に対するまわりの人々のいらだちなど、すごく緻密に表現されていると思う。
それとアイルランドの情景がきれいですばらしいので、アイルランドに行きたい気持ちが高まった。