赤ちゃんという生き物

赤ちゃんの生命力について。
赤ちゃんという生き物は一応人間だけどまだなりきれていなくて、ものすごい生命力のかたまりだと思う。生きろ生きろという本能からの指令を全身全霊で受け止めて、それを体中からむんむん発散している。赤ちゃんを見ると誰でも無条件に笑顔になるし、小さくて弱いもののために自分がもっとしっかりしようと思ったり、またがんばろうと思える活力にもなる。
泣きわめくとどうしていいか分からないし、壊れやすいもののようにそうっと扱わないとあぶないし、親がどれだけ赤ちゃんのことを大切に思っているかがぞっとするほど伝わったりするので人の赤ちゃんに接する時には緊張するが、だっこしたり、赤ちゃんが自分のほうを見てにこにこしているだけで、心の奥がきゅうっとつかまれるような、もう何もいらないぐらいのうれしさであふれる。
ここまで書いて言うのもなんだが、私はこどもが苦手だ。こどもに目線を合わそうとしてこどもみたいな話し方をするなんて恥ずかしくてできないし、それはなんとなくこどもに失礼だと感じているのでしない。だからといって自分が大人ぶって会話をリードしたりすると、「何大人みたいなことしてるんだ!自分だってまだこどもじゃないか!」と思って気持ち悪くなってしまう。
でも自分が小学生ぐらいの頃、大学生が遊んでくれたりするとものすごく嬉しかったし、そのひとが遊ぶのが上手いというのもあるけどほんとうに楽しかった。
小学生ぐらいのときって、今ではめんどくさいとかどうでもいいとか思うようなことがすごく楽しくて、とにかくいつまででも遊んでいられる。友達と遊ぶ時間がすばらしいものに思えすぎて、どうしてもその時間が終わってしまうのが悲しかった。
夜にちょっとビデオを借りに行ったり、コンビニにおかしを買いに行くだけで死ぬほどわくわくしたし、休日の、家族でどこかデパートでもなんでも行こうかという雰囲気なんかが大好きだった。
今より自由が少なくて制約が多いぶん、ちょっとしたことが楽しかったんだろうなあ。それに今考えてみると、家族でキャンプや山登りに出かけたり旅行に行ったり出来る期間なんてほんとうにちょっとだ。せめて小学生ぐらいまでだろう。ずっと家族であり続けることに変わりはないけど、家族で密に過ごす時間は短いと思った。